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スウォッチ マニュファクチュール・ツアー





バーゼルワールドからの撤退を受け、ブランド6社を取材する200人の記者が、3日にわたり6つの町を巡った。

2019年5月14日から16日にかけて、スウォッチ・グループのプレスイベント「Time To Move」が実験的に行われた。同グループは、同年よりバーゼルワールドから撤退し、17の傘下ブランドが顧客やマスコミに新作時計を披露するための場を別に設ける必要が生じていた。

 経営陣の決定により、グループの中で最も高級なブランド6社が、バーゼルワールドの期間中、チューリッヒ中心部のハイエック・グループ本社に法人顧客を招き入れる運びとなった。ウブロ時計ラクマ(ハイエック・グループは、スウォッチ・グループの筆頭株主であるハイエック家が所有する、株式非公開のコンサルティング会社だ)。他のブランドも、国内市場の顧客と顔を合わせる予定だ。

 マスコミへの対応について高級ブランド6社は、5月に200人のジャーナリストをスイスに招き、自社の工場施設を紹介することに決めた。「コンセプトを変えようと試みています」と語るのは、ブランパンのマーク・ハイエック(Marc Hayek)CEOだ。「時計が作られ誕生する場を、お見せしたいと思います」。ブランドが作る時計を見てもらうのと同時に、どこでどのように作られているかを知ってもらうことが狙いだ。

 21ヵ国から集まった200人の記者が、言語別の小規模なグループに分かれ、スイスの時計生産地をバンに乗って3日で巡り、6つの町で6つのブランドを見学した。

 スティーブン・プルビレント(Stephen Pulvirent)と私も同行し、スティーブンが新製品を取材すた一方、私は工場の見学に専念した。スイスの機械時計作りの手順は「Tツアー」(Tはフランス語で仕上げを意味する「Terminaison」の頭文字だ)に基づいており、我々はこれについて手短な講義を受けた。Tツアーは時計製造の5工程を指す業界用語で、T0(ムーブメント部品の製造)からT4(包装と出荷)までの段階を踏む。